「ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ」のロンドンの家|Vincent Van Gogh in London

現在、誕生200周年を迎えたナショナル・ギャラリーでは【Van Gogh: Poets and Lovers】というエキシビション(2025年1月19日まで)を開催しています。

ナショナル・ギャラリーが保有する「ひまわり」や「椅子」に加えて、このエキシビションのために世界中から集められたゴッホの絵が見られるチャンスとあって、連日ナショナル・ギャラリーの前は長蛇の列になっています。

私も、若干ほとぼりが覚めている(であろう)12月のチケットを予約しています。午後のスロットなので、おそらく人も少なめでゆっくり見られるだろうと期待しています。

ということで、ゴッホがクローズアップされている近頃の美術館界隈ですが、ある時どこかでゴッホがロンドンに住んでいたことがあるという情報を耳にしました。ゴッホ In London… 想像したこともありませんでしたよ!でもゴッホがロンドンに住んでいたなら「是非、家を見てみたい!」(←ブルー・プラーク巡り好きの血が騒いだ💓)

で、ネット検索してみました。すると、本当にゴッホはロンドンに住んでいました!たった1年ですが…。

ロンドンのランベス地区(テムズ川の南岸)にあるジョージアン・テラスを間借りして暮らしていました。

画家として成功せず、耳を自傷したり最後は拳銃で自殺してしまった不幸なイメージのあるゴッホですが、予想に反してロンドン時代は穏やかで幸せな日々を送っていたようです。

ゴッホの【ロンドンの家】と【ヴァン・ゴッホ・ウォーク】

右端の白い家がゴッホの住んでいた家。ブルー・プラークがある
<87 Hackford Road, London SW9 0RE>   ©楓香

ゴッホは1873年20歳の時に、ここHackford Street の家に引っ越してきました。弟テオに書いた手紙には、「ここではうまく行っているよ。素敵な家を借りられたし、ロンドンの街や人々の生活を観察するのも楽しい。」と綴っています。

ゴッホはこの家からコベント・ガーデンにある職場【Goupil Gallery】までの道を、毎日40分ほどかけて歩いて通っていたそうです。ゴッホはこの徒歩通勤の時間がとても楽しかったようです。

美術館・公園にも精力的に徒歩で訪れていたようです。職場に近いナショナル・ギャラリーは勿論のこと、ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツやビクトリア&アルバート美術館、ダリッジ美術館、ハイド・パークなど。今私たちが訪れている同じ場所を200年前にゴッホも訪れていました。(急にゴッホを身近に感じ始める…。)

ゴッホは、ロンドンのアート・シーンの中でも、雑誌や新聞のイラストレーションに興味を持ったようです。伝統的な絵というより、挿絵や表紙に描かれる新しいアート(イラスト)に新鮮に刺激を受けました。また、イギリスのことが大好きになったゴッホはイギリスの文学にも触れるようになり、イエーツやディケンズなども読んでイギリスへの理解を深めていきました。

弟テオに送った手紙には、ロンドンの生活は豊かで楽しく、都会人となった自分はもはやオランダ人でなくイギリス人やフランス人になりつつあると思い始めたよ、などと書いています。

ゴッホにも楽しく幸せな時間があったのだと思うと嬉しくなりますね♪

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ゴッホがオフィスに通う……画家のゴッホしか知らないので、「勤め人ゴッホ」を想像するのは難しいですが、ゴッホは画家に落ち着くまで、いくつかの職を経験しました。その一つが、アート・ディーラーの仕事でした。フランスに本社がある【Goupil Gallery】のロンドン支社で、ゴッホはアート・ディーラ―の見習いをしていました。(オランダ支社から異動。弟テオは、アート・ディーラー)

コベント・ガーデンのかつての【Goupil Gallery】の住所 17 Southampton St. (サウサンプトン通り)を訪ねてみました。が、今はもう存在していないようで、看板などを見つけることは出来ませんでした。この一角は現在ジュビリー・マーケット<Jubilee Market>になっています。

Southampton Street はコベント・ガーデンに行く度によく通るところです。以前紹介したカフェ【abuelo】が【Goupil Gallery】の建物の反対側にあります。すぐそばには、£20の顔になったウィリアム・ターナーの実家の床屋だった建物(現在パブ)もあります。

ゴッホがスケッチした教会【Austin Friars】

ゴッホが訪れた場所に、【オースティン・フライヤーズ<Austin Friars>】という場所があります。ここは中世の時代から存在していたアドレスで、いくつかあるフライヤーズのうちの一つです。フライヤーズとは、修道士が集まる場所でセント・ポール大聖堂周辺にブラックフライヤーズ<Blackfriars>, グレイフライヤーズ<Greyfriars>などが点在しています。

ゴッホがここにあるAustin Friars教会のスケッチを描いた手紙が残っています。

じつはここAustin Friarsは別の理由で必ず再訪するつもりだった場所なのです。なので今回取材で行けて嬉しかったです。実はここに2度ほど来たことがありましたが、その時は歴史もゴッホのことも知らずにただコーヒー・ショップに寄っただけでした。今回はしっかりポイントをチェックし写真に残すことができました🤳

ということで、ハッピー・メモリーがいっぱい詰まったロンドン時代のゴッホが訪れていた場所を歩いてみました。

最近一番好きな画家は誰だろうと考えた時にゴッホかもしれない、と思うようになりました。昔はルノアールとかの上品でエレガントな絵が好きだったのですが、今はゴッホの絵が好きです。作品を間近で見れば見るほど天才的な色彩感覚と個性的な筆遣いに魅了されます。

目下一番のお気に入りは、アルル時代に描いた【Cafe Terrace at Night(夜のカフェ・テラス)】

Cafe Terrace at Night / Vincent Van Gogh Wikimedia Commons/Public Domain

ゴッホは「Starry Night」や「Iris」が人気ですが、私はゴッホの特徴である明るい黄色とStarry Night(星降る夜空)が1枚の絵で楽しめるこの絵が一番好きです。

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★「ゴッホの家」 87 Hackford Rd – Google マップ

★「ヴァン・ゴッホ・ウォーク」 Van Gogh Walk – Google マップ

★「Goupil Gallery」のあった場所 17 Southampton St – Google マップ

★「オースティン・フライヤーズ」 Austin Friars – Google マップ