
先日久しぶりにロンドン郊外にあるハンプトン・コート宮殿に行ってきました☆ ここは私の大好きな場所で、もう通算10回くらいは訪れています。
ハンプトン・コート宮殿の面白いところは、1つの宮殿にチューダー朝、スチュアート朝、ジョージアン朝(ハノーヴァー朝とも)の3つの時代の建築様式が見られることです。
でも、ハンプトン・コートと言えば、やはりヘンリー8世です! 前回のブログでも書きましたが、元々の持ち主枢機卿トーマス・ウルジ―(ヘンリー8世の宮殿内の影の最高権力者)が失脚しそうになったときに、うっかりヘンリー8世にどうぞー!と献上してしまった元ウルジ―家の館です。ハハ


前回は大食漢ヘンリーの「ヘンリー8世のキッチン」をポストしました。(最初に入るところなので)
今回は、次に入るヘンリー8世の「グレート・ホール」のことを書きたいと思います。
Contents :
The Great Hall(ザ・グレート・ホール)

ヘンリー8世のアパートの中で、一番の見るべきところはやはりこのグレート・ホール。ハンプトン・コート宮殿を見学する=グレート・ホールを見学することと言っても過言ではありません。
全長32m、幅12m、高さ18mのホールは、熟練した大工60人、石工25人、レンガ職人20人を雇って建築されました。
チューダーの時代には、天井はブルーとゴールドで色付けされ、床はグリーンと白のタイルが敷かれてとても鮮やかだったそうです。
グレート・ホールは、普段は宮殿で働く600人の召使たちが一日2回食事をする大食堂ですが、宴の際には華やかで荘厳な宴の舞台に変身しました。金糸・銀糸をはじめ、カラフルな糸で織られたタペストリーがキャンドルの光で煌めく様子は、きっと素敵な光景だったことでしょう。
ヘンリー8世は、変装して仮面舞踏会に参加するのが好きだったそうです。
ヘンリー8世❤アン・ブリン


このグレート・ホールは、1530年始め、あのアン・ブリン<Anne Boleyn>との結婚の際に新築されました。
天井の装飾には、チューダー王朝、ヘンリー自身、アン・ブリンの記章などが使われました。アン・ブリンのパーソナル・バッジ(記章)は、王冠を被った鷹(冠鷹)(上の写真)でした。


ヘンリーは、祖母マーガレット・ボーフォート (Margaret Beaufort) の記章「落とし格子(戸)」を継承しました。落とし格子は中世の城門の鉄製の格子門です。城や要塞を守る強さの象徴のようなこの記章が、きっとお気に入りだったのでしょう。
1533年12月、建築中のグレート・ホールをこの年に結婚したヘンリーとアン・ブリンが視察に訪れました。二人が視察に訪れる前には、日が暮れても(天井装飾の)作業が続けられるようにと、キャンドルが届けられたそうです…。働けよ、と。
ヘンリー8世がダンス音楽を作曲!
ヘンリー8世は、落馬をきっかけに暴君になる前は良い王様で、優秀かつ多才な王でした。宴では、トランペット・ビオラ・ドラム・ハープシコード・オルガンなどを、自ら演奏してゲストをもてなしたそうです。
演奏技術に加えて、作曲の才能もあったそうです。
私は以前ヘンリー8世が [Greensleeves] を作曲したと歴史の先生から聞いたことがあり、それが広く知られているようなのですが、本当は[Pastime with Good Company] という曲をヘンリーが作曲というのがしたのが正しいかもしれません。
ヘンリーが作曲したとされるこの曲の音源を見つけました。⇩
なかなか良い曲ではないでしょうか(. ❛ ᴗ ❛.) チューダー時代の映画やドラマを見るとよくこの曲が出てきます。チューダーのダンス・ミュージックのようです♪
チューダー時代のダンスは、Flanboyant(とても華やか)だったそうです。宴では2時間ぶっ続けで踊っていたこともあるそうです。また、ヘンリーのオルガニストは、イタリア・ベニスから来たDionisio Meoという人物で、これまた4時間ぶっ続けで弾いた(弾かされた)こともあったとか…。
とにかく、ヘンリー8世の時代には、豪勢な食事、ダンスに音楽でド派手に楽しくやっていたようです。
貧しい人々への施し
ヘンリー8世のキッチンを見てわかるように、食べるの大好き大食漢ヘンリーに合わせて、毎日食事は大量に用意されました。大量に食事を作るということは、大量に余る可能性もあります。
そんな時、ハンプトン・コート宮殿では宮殿の門に集まった貧しい人たちに残り物をあげていたそうです。
ヘンリー8世は、Maundy Thursdayという日には貧しい人たちに服や食べ物、お金などを配っていました。それに国王自ら彼らの足を洗ったそうです。(←これは自主的というわけではなく、宗教)臭いにおいとEvil airsを消すために香木を炊きながら。。。でも、貧しい故に国王に足を洗ってもらえるって、、、ある意味得をしてますか??
グレート・ホールに残っていたアンのレガシー

さて、アン・ブリンとの結婚を控え、ウキウキで新築したグレート・ホールですが、アンへの愛情は結婚後3年で憎しみへとコロッと変わってしまいました。
アンが跡継ぎの男児を産むと信じ、王妃になれるようヘンリーに国教まで変えさせて再婚を成功させたヘンリーのアドバイザー&フィクサー(ヘンリーの希望をすべて叶える男!)トーマス・クロムウェルも、今や女児一人しか生まないアン・ブリンが憎くてたまらない…。
男子の跡継ぎがどうしても欲しいヘンリーが次の妻を探し始めると、トーマス・クロムウェルはヘンリーの希望をくみ取り、アンを排除することを画策し始めました。
そして、アンを冤罪で捕らえてロンドン塔に連行すると、死刑判決ありきの裁判を行い、あっという間に死刑執行。計画から処刑までたった一か月だったそうです…。
そして処刑後は、アンとの結婚をなかったことにするために、彼女の形跡をすべて抹消しました。なので、生前のアンの手紙や肖像画などは、残っていません。今日見られるアンの肖像画は、のちに想像で描かれたものです。
当然、このグレート・ホールからもアンの記章など、アン関係のものがが次々に抹消されました。

ところが、、、大工が剥がし忘れてしまったのか、アンのレガシーが消されずに残っていた部分がありました。
それがこのH(Henry)とA(Anne)を組み合わせた文字です。グレート・ホールの一番後ろにあるオークのスクリーンにこの文字が残されていました。(左右1つずつあります)
アン・ブリン関連のものがほとんど残されていない中、忘れた大工さんに感謝ですね!
ちなみに両隣りにあるHRの文字は、「Henry Rex」のことで「King Henry」という意味です。
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★ハンプトン・コート宮殿へ行こう! Hampton Court Palace Info.
Hampton Court Palace | Historic Royal Palaces (hrp.org.uk)
☆ほぼ1年を通してオープン。オープン時間はHPで要チェック。
☆各線連結のWaterloo 駅からHampton Court 駅まで直通一本で行けます。(約40分)
☆アドレス: KT8 9AU, Surrey, United Kingdom