バッキンガム宮殿|王室史上初!『東棟ハイライト・ツアー」』に参加。あの有名なバルコニーを見学☆

画像:Wikimedia commons/public domain/Colonation Balcony バッキンガム宮殿

この夏、王室史上初めて見学者のアクセスが可能になったバッキンガム宮殿の東棟<East Wing>のハイライト・ツアーに参加してきました。

東棟は、王室のメンバーが、ジュビリーやトゥルーピング・ザ・カラー(君主の公式誕生日の祝典)などの祝賀行事の際に姿を見せられるあの有名なバルコニーのある正面の棟です。記念すべき最初の年に参加出来てラッキーでした☆

1日数組限定のガイド・ツアーでのみ見学ができるので、チケット数は限られています。私が予約できた方法をこちら⇩に書いているので、良かったら参考にしてみて下さい。

バッキンガム宮殿は、いつから王室の宮殿に?

|宮殿の土地・・・元は〇畑

世界に名だたる英国の地位に相応しいバッキンガム宮殿は、一体いつできたのでしょう。宮殿の歴史をたどると、この土地が王室と関わりを持ち始めたのは、ジェームス1世の統治時代(1603-1625)でした。

ジェームス1世は、今の宮殿の庭園部分あたりを蚕飼育のための桑畑にしたのが始まりです。

しかし、息子チャールズ1世がアストン卿という貴族に譲渡してしまい(1628)、この土地は一旦王室所有から離れることになります。

数人の貴族の所有を経て70年後の1698年、ジョン・シェフィールドという伯爵が短期賃貸契約でここに建っていた館に住み始めました。やがて彼はアン女王から「バッキンガム公爵」というタイトルを賜りました。(1703)

画像:Wikimedia commons/public domain c.1710 バッキンガム公爵の「バッキンガム・ハウス」

翌年この館を買い取ると、彼は元の建物を取り壊し、現在宮殿が建っている場所に新たに館を建設しました。そして、自身の公爵名から『バッキンガム・ハウス』と名付けました。

1761年、ジョージ3世が王妃のためにこの『バッキンガム・ハウス』を購入。再び王室所有となりました。

画像:Wikimedia commons/public domain c.1819 バッキンガム宮殿になる前

1820年、息子のジョージ4世が即位すると、当時イギリスの国力に相応しい王宮がなかったことから、彼のお抱え建築家ジョン・ナッシュ(リージェント・ストリートなど建造)を雇ってこの『バッキンガム・ハウス』を王宮へと改築することにしました。ジョン・ナッシュは『バッキンガム・ハウス』を拡大し、規模を大きくすることで王宮に相応しい建物にしようとしました。

ところが、1830年ジョージ4世が逝去すると、建築費用をかけ過ぎたことで批判されたジョン・ナッシュは解雇されてしまいました。新たに国王になった弟ウィリアム4世は建築家エドワード・ブロアを雇い、宮殿建築を引き継がせました。

そして『バッキンガム宮殿』が完成しました。

画像:Wikimedia commons/public domain c.1837 「バッキンガム宮殿」 
現在はハイド・パークに移転された「マーブル・アーチ」が左に見える

ところが、当の国王ウィリアム4世は王宮であるこの『バッキンガム宮殿』に住むことはありませんでした。今のチャールズ3世同様「クラレンス・ハウス」がお気に入りで、そこに居住し続けました。

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|東棟の増築は増える一方のビクトリア女王の家族のため

1837年、ウィリアム4世が逝去するとビクトリア女王はすぐに監視で窮屈なケンジントン宮殿を出て『バッキンガム宮殿』で新しい生活を始めました。ドイツのアルバート王子と結婚すると、最終的に9人の子を持つ大所帯になりました。宮殿が手狭になった女王は不満を訴え、増築を求めました。1846年ジョージ4世の建てたブライトンの『ロイヤル・パビリオン』を売却して、建設費用に充てることになりました。

そして増築されたのが今回見学が可能になった東棟<East Wing>でした。(1847-49) ブロアの設計により、より宮殿らしい堂々とした正面ファサードになりました。

ブロアはビクトリア女王の頼りになる優秀な夫アルバート公のアドバイスにより、正面ファサードにバルコニーを付け加えました。(アルバート王子は優秀です。万国博覧会を成功させ、サウス・ケンジントン一帯を購入。学術・芸術<V&A美術館>のエリアにしました。科学・産業の発展も奨励。因みにイギリスのクリスマスの習慣も彼がドイツから持ち込んだもの。)

このバルコニーで、ビクトリア女王はクリミア戦争に出兵する軍隊を見送り、彼らの帰還もこのバルコニーで迎えました。

バルコニーは、この時以降、君主が市民に姿を見せる重要な役割を担うようになりました。やっぱりアルバート王子のアドバイスは正しかったですね。

王室史上初の試み『東棟ハイライト・ツアー』

|バッキンガム宮殿に入場

その東棟、10年に及ぶ改修工事を経て、ようやく工事完了に近づいてきました。バルコニーのある「センター・ルーム」とその隣の「イエロー・ルーム」、それに主廊下(コリドー)が完成しました。

2024年、嬉しいことに、チャールズ3世がこの東棟を夏のツアー・コースに加えて下さいました。一般市民の私たちも東棟の中に入り、宮殿の中からあのバルコニーを見ることができるようになりました。

入場に指定された「Cゲート」は、通常の「The State Rooms ツアー」の人たちと同じゲートでした。そこから宮殿の敷地内に入ると、空港と同じようにセキュリティ・チェックを受けます。

次に「音声ガイド」のデバイスとイヤホンを借りて、道なりに進むと宮殿の大玄関に辿り着きます。私は今回で3回目ですが、いつもと同じ手順・コースでした。途中で、「東棟ハイライト・ツアー」に参加するのですが、と係の人に訪ねましたが、先に進んで下さいというばかりで何故か場所を言わないのです。仕方ないのでそのまま進みました。

大玄関前には、祝賀パレードなどに使用されるステート・コーチ(馬車)が展示されてあります。これもいつもと同じでした。バッキンガム宮殿は国王のオフィシャル・レジデンスですから、宮殿内のものは一切写真は撮れません。なので、じーっくり見学です。

大玄関の一部にロープが張られ、その向こうに何人かの一般の人たちがいるのが見えました。それが何かわからなかったのですが、馬車を満足するまで見終わった後、ロープの方に近づいてみると、「East Wing Highlight Tours(東棟ハイライト・ツアー)」の小さなサインが腰の高さくらいのところにありました。ずっと人込みと係の人に隠れてサインが見えなかったので、近づいて行ってみて良かったです。うっかり通り過ぎるところでした。事前の案内メールにも、ミーティング・ポイントがどこなのか書かれていなかったので、情報のないまま当日を迎えていました。

そこで、チケットを見せて私も中で待機することになりました。

借りたばかりの音声ガイドですが、そこで回収されました。そして20分ほど待ったでしょうか、ようやくガイドの人が来て私たちのグループ(12人ほど)の案内を開始してくれました。

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|東棟ハイライト・ツアーは大玄関からスタート

©楓香/バッキンガム宮殿 The East Wing of Buckingham Palace (rct.uk)

中庭を通って、中央のアーチから衛兵のいる前庭に出て、そこから左手(グリーン・パーク側)にある部屋まで移動しました。鉄のゲートの向こうに衛兵交代式を待っている人たちが大勢いる中、前庭を歩くのは面白い経験でした。衛兵交代式が始まったら前庭に出てはいけないらしいので、11時前のチケットをとっておいてラッキーでした!

この部屋の隣りにはエレベーターがあり、私たちはその横の階段から2階(イギリスでは1階)に上がりました。狭い階段の踊り場から最初の部屋に移動する間に、簡易の超ミニ・キッチン(しかも簡素)があり、こんなところにKitchenette(簡易キッチン)があって驚いたでしょう?と笑いながらガイドの人が話していました。実はそこの周辺はまだ工事中だったので、洗い場が必要だったのです。ものすごくきれいに使っていました。

最初に見学した部屋は、工事が始まったばかりの中国趣味の部屋でした。オリジナルの床板は必要に応じて修繕や取り換えがなされ、壁紙も剥がされ、オリジナルの色彩やデザインが調査されて復元されるそうです。壁から取り外せない絵画もあって、なかなか作業はスムーズには行かないようです。この部屋の完成はまだまだ数か月はかかりそうでした。

|主廊下<The Principal Corridor>

踊り場に戻ると、そこから主廊下<The Principal Corridor>への扉が開かれ、ビクトリア女王やエドワード7世らの大きな肖像画が飾られた通路にあたる部分に出ました。

画像:Wikimedia Commons/ Public Domain Public Domain The marriage of the Prince of Wales and Princess Alexandra of Denmark, Windsor 1863

この絵は必見です!ビクトリア女王の長男アルバート・エドワード(エドワード7世)とデンマーク王女アレクサンドラの結婚式の絵です。ビクトリア女王がコミッションして描かせたそうです。女王は一段高いところから2人の結婚式を見ています。

バッキンガム宮殿の再整備10年プロジェクトの一つとして、この絵は後世に良い状態で残すべく2023年に修復。四隅の歪みども補修し強化されたそうです。

画像:Wikimedia Commons / Public Domain アレクサンドラ王妃 1905

この主廊下部分は、過去5年にわたり工事がなされてきました。その間Royalたちは、工事現場を通ってバルコニーにお出ましになっていたそうで、エリザベス女王がベニヤ板の壁に囲まれた狭い通路(幅1mほど)を笑いながら歩いているお写真を拝見しました。実は舞台裏はこんなだったんだ、王冠かぶっているのに、、とわかった瞬間でした。

前述のように、ここはビクトリア女王がジョージ4世の『ロイヤル・パビリオン』(ブライトン)を売却して建てた棟。そして、この新棟のインテリアには『ロイヤル・パビリオン』の家具・調度品を使用することが決まっていました。ジョージ4世は、自分の中国趣味(シノワズリー)とインド趣味のために『ロイヤル・パビリオン』を建てたようなものなので、ここがイギリス王室の宮殿であることを疑ってしまうほど、隅から隅まで中国のもので溢れかえっていました。

|バルコニーのある「センター・ルーム」

バッキンガム宮殿で25年働いているというベテランの従業員の女性が「センター・ルーム<The Centre Room>」の扉を開けてくれました。(この人が目を光らせ扉の開け閉めを担当)

中に入ると、衛兵交代式が始まっていて音が聞こえてきました。ここが、あの有名なバルコニーがあるお部屋です。インテリアは勿論シノワズリー。ゴールドと淡いブルーを基調に、カラフルな中国の陶磁器類(ボーン・チャイナ)で装飾された華やかなお部屋でした。

注目は、ロータス・フラワーの形をした照明。これは『ロイヤル・パビリオン』の音楽室にあった9つのうちの1つだそうです。とっても美しい照明でした。バルコニーにRoyalたちがお出ましになる際に、お部屋の中央にあるこのロータス・フラワーの照明もチラッと見えますので、是非注目してみてください。

前述のとおり、現役の宮殿での内部の撮影は禁止されていますので、東棟のインテリアは是非バッキンガム宮殿のウェブサイトでご覧くださいませ⇩⇩⇩

画像:Wikimedia Commons / Public Domain Colonation Balcony 2023

中央の窓から有名なバルコニーを見ることができました。これがツアー参加の目的でした。白いシア・カーテンがあるのでハッキリとは見えるわけではありませんが、カーテンの向こうにあるバルコニーを見ることが出来ました。その下で衛兵交代式が行われているのを窓から眺める贅沢も出来ました。

バルコニーには残念ながら出ることはできません。何故なら、とても低くて危険だからです。写真を見てもわかるように、子供の太もも辺りまでしかありません。しかも、あまり奥行がありません。ちょっと怖くて足がすくむかも、と思いました。ここでツアー参加者におふざけされたら宮殿側としても困りますよね。

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この「センター・ルーム」、実は入る前はとても広い部屋を想像していました。小広間(ホール)のような部屋で、バルコニーに出る前後にカクテルでも用意されたテーブルがあって、ロイヤルたちはおしゃべりに花を咲かせているのかなーと。

で、入ってみたら普通サイズの部屋でアレっ?という感じ。バルコニーに続く特別な部屋、という設えではなくて普通の部屋でした。内装はシノワズリーで勿論きれいなのですが、家具もなくバルコニーに出るためだけに通過する部屋という印象。20人もいたら混み混みかもしれません。家具を置いたらもう狭くてしょうがないかもです。ハリーとメガン・マークル騒動がある前は、数十人のRoyalたちがこのバルコニーに招待されていたのですが、きっと廊下で待機していたんですね…。

広いお部屋を想像していたので、ちょっと肩透かしを食らいましたが、この部屋に入れてバルコニーを身近に見られたことは、とても良い思い出になりました。

|「イエロー・ドロゥイング・ルーム」

お隣りの「イエロー・ドロゥイング・ルーム<The Yellow Drawing Room>」に移動しました。その名の通り、黄色い部屋です。カーテンとソファの黄色とゴールドが基調の部屋でした。インテリアは勿論派手めのシノワズリー。(だんだん疲れてきました…(;^ω^))部屋のサイズは、「センター・ルーム」と同じくらい。これからは控室として使用されるのだそうです。

現役の宮殿での内部の撮影は禁止されていますので、東棟のインテリアは是非バッキンガム宮殿のウェブサイトでご覧くださいませ⇩⇩⇩

この部屋の暖炉の上にに置いてある「キリン時計」というのが、目玉のようでした。キリン(沖縄のシーサーに似ている)は中国では伝説の動物で、フランス製の時計を2匹のキリンが取り囲み、その周りを植物デザインなどで装飾し、高さを出すように嵩上げして作られたそうです。確かに盛り盛りでした。ジョージ4世の個人のモチーフ「ひまわり」が入っているので、歴史的価値あり!ですね。

こちらの部屋のシノワズリー模様の壁紙は手描きだそうです。

この部屋からも、下の衛兵交代式が見えました。

東棟ハイライト・ツアーはここまででした。来たルートを戻りましたが、帰りは衛兵交代式の最中だったので前庭は通れず、職員専用の出入り口から中庭に出ました。中庭から衛兵交代式をチラッと見て、それからまた大玄関に戻りました。

音声ガイドを再び借りて、大玄関から通常のバッキンガム宮殿の「The State Rooms ツアー」のルートに合流します。この大玄関は、先頃天皇皇后両陛下がイギリスを訪問され、ロンドンを離れる際に仲良しのチャールズ3世国王夫妻と別れを惜しんで結構長い間お喋りをしていた場所です。

今回で「The State Rooms ツアー」は3回目で前2回はパンデミック前でした。その時に比べると、かなりツアー客が減り(おそらくスロット制のため)見やすくなりました。人波に流されず、のんびりとマイペースで進んでいくことが出来ました。

「絵画の間<The Picture Gallery>」も、見たい絵を見るために行ったり来たりと移動が簡単になりました。前回友人と言った時はここではぐれ、人が多すぎて探せず出口まではぐれたままでした。

大きく変わっていたところは、あの真っ赤なチャールズ3世の肖像画が舞踏室<The Ball Room>に飾られていたことでした。皆が言葉を失った肖像画、チャールズ3世もショックだったでしょうね…… :-O

「ガーデン・カフェ」と「ショッピング」

©楓香/バッキンガム宮殿のガーデン・カフェからの眺め

ツアーが終わったら、ここからは写真撮り放題です。

「The State Rooms ツアー」を終えたらちょうどランチ時なので、庭園に面した「ガーデン・カフェ」でランチをとりました。

カフェには、実は2回行きました。最初にランチを食べて、ショップで日本へのおみやげ物のお買い物をして、木陰からボーっとお庭を眺めていたら、またお腹が空いて2回目はケーキを頂きました。

このバッキンガム宮殿の水筒は自分へのおみやげに買いました。リサイクル品なのでなるべくきれいな状態のものを選びました。

©楓香/バッキンガム宮殿を庭園から望む

この日は雲一つない素晴らしいお天気でした。お庭の芝生も青々として、とても清々しい眺め。

©楓香/バッキンガム宮殿のショップ

庭園の脇にあるバッキンガム宮殿のショップです。バッキンガム宮殿のジャムは美味しいので、オンライン・ショップでも時々購入します。今回はおみやげ用に購入しました。

全粒粉のパンと一緒に食べると美味しいセビリア・オレンジのマーマレード

Buckingham Palace Fine Cut Seville Orange Marmalade

£5.00

©Royal Collection Trust Shop

私、実はこのスプーン↑を持っているのですが、どこに行ったか分からなくなってしまいました。そろそろ使おうかなと思っていたので、軽くショック…。どうか出てきますように…。

バッキンガム宮殿を庭園から見るとこんな感じです。写真左側がカフェ、右側には子供たち用にFamily Pavilionというのがあります。

バッキンガム宮殿の脇にある道を通って出口に向かいます。途中アイスクリームのブースなどもあります。暑かったこの日は、大盛況のようでした。

今回の「The State Rooms ツアー」のチケットを「1-Year Pass」にしました。来年も行けたらいいなと思っています。